東方アリアンロッドキャンペーン 第一回

 

 キャラクター紹介はこちら。

http://bluevon.hatenablog.com/entry/2012/03/12/213919

 

・第一話

 

 というわけで、かようなキャラクター達を迎え始まった東方アリアンロッドキャン

ペーン第一話。

 

GM「時は快晴の広がる皐月の頃、洋上を往く帆船”猿飛丸”の甲板に、君達の姿がある」

 

 という出だしから、セッションは始まった。

 今回は、PC達がいまだ合流していない設定で始めたので、まだPCは船の思い思いの

場所でふらふらとしている。

 

GM「というわけで、君たちは何をしている?」

コルコ「釣りをしてます」

モモコ「剣の稽古をしています!」

ザルナ「騎龍(乗騎として訓練された龍で、バートルの相棒)の上で昼寝を」

いろり「風の当たるところに……」

オウラン「我は行商人のフリを……」

一同「えっ?」

GM/船員「そ、その鎖鎌は……?」

オウラン「売り物だが?

 

 オウランさんは商人だった。

 

オウラン「商人は怪しまれるな。次は村娘にしておくか……

一同「えっ?」

 

 などと漫才にいそしむPC達であったが、そんな平和な航海がいつまでも続くは

ずがない。

 

 船員があげた不審げな声にPCたちが目を凝らすと、どうやら水平線の彼方から猛ス

ピードで猿飛丸へと向かってくる船影がある。それも、ひとつではなく何艘も。サカナ

ドクロをはためかせたその船は、この近海を荒らしまわるイワシのオカシラ団(命名:

モモコ)だったのだ!

 

 海賊船からの砲撃が、猿飛丸に大きな穴を穿つ。

 今や沈没寸前の猿飛丸にこれ以上残っていても死ぬだけだ。

 そう判断したPC達は、やむなく海中へ飛び込み、運命を天に任せるのだった。

 

 

 海に飛び込んだPC達は、やがて見知らぬ砂浜で目を覚ます。

 とりあえず自己紹介を済ませたものの、砂浜には何も見当たらない。

 

モモコ「ここが何処だかわかりますか?」

GM「じゃあ、知力判定で振ってくれ(どうせわからんだろうが)」

コルコ「あ、クリティカル

 

 以前文献で海岸線を見た覚えがあったらしい。なんという博識ぶり。

 コルコバードによれば、この島はイリアズマという、大陸に近い島のようだ。

 島の北の方に村があるという事なので、とりあえず探すべえと移動を始める一行。

 ふわふわ~っとしたいろりを先頭に歩き始めた一行だったが、感覚だけで歩くいろり

が道に迷ったりして、結局、村についたのは夜も更けた頃である。

 

 やっとの思いで辿り着いた村だったが、なにやら雰囲気がおかしい様子。

 夜だという事を抜きにしても、明かりもなければ人影もない。

 わかりやすく言えば陰鬱な村である。

 

モモコ「村の人に話を聞いてみましょう」

オウラン「頼もう」(戸口バンバン

GM/村人「はーい……」 がらっ 「ひっ!?」

オウラン「こわがりすぎだろ」

 

 オウランさんに怯える村人をなだめ、事情を説明すると、村人は「早くこの村から立

ち去れ」とPC達に警告する。さて、いったいどうしたことだとPC達がいぶかしむ暇も

あらばこそ、不意に村中に響く子供の叫び声!

 

 村人の制止を振り切り村の広場へ駆けつけたPC達が見たものは、不快な笑い声をあ

げるインスマンス面の一団と、その足元にうずくまる、血を流した犬を抱く子供の姿

だった!

 

ザルナ「こいつら、何者だ……!」

GM/魚人A「ギョッギョッギョ……その犬が悪いんでギルマン?」

GM/魚人B「我輩らの足にいきなり噛み付きおってからに!」

ザルナ「間違いねぇ、ギルマンだ!!

 

 子供が無体な仕打ちを受けているとなれば、モモコが放っておけるはずがない。

 あわやという所で子供と魚人の間に割ってはいると、あっという間に魚人Aを三枚に

卸してしまう。演出で。

 

GM/魚人B「ぎょ、魚人Aー!?」

GM/魚人C「Aの奴、嫁が産卵期に入ったって嬉しそうに言ってたでギルマンのに!」

 

 激昂した魚人達とPC達は、なし崩し的に戦闘へ突入。

 ……するものの、所詮雑魚、Lv3PC達に勝てるはずもない。

  まあまあ善戦したものの、哀れ焼き魚にされたり、刺身にされたりしてしまう。

 

 颯爽と子供を助けたPC達は、見目麗しい、線の細い少年に声をかけられる。

 少年はおどおどした様子で村人に魚人の死体を隠すように指示すると、PC達に自分

の家に来て欲しいと言う。

 これも乗りかかった船と、PC達は少年の招きに応じて彼の家へ向かうことにした。

 

 

 少年と共にPC達が家に戻ると、家では眼鏡の美人がPC……というかイズミを出迎え

る。

 彼女はコダテ・マキといって、少年に仕えているらしい。

 少年はイズミと名乗り、PC達に島の現状を説明する。

 

・この島が、イリアズマと呼ばれる島であった。そして、自分はそのイリアズマを治め

るタテ家の生き残りである

・かつてイリアズマはダイワ(日本みたいなもの)から大陸への要所として隆盛を誇っ

ていたアズマ諸島の玄関口だった

・しかし、七年前、イワシのオカシラ団の襲撃を受け、占領されてしまった

・タテ家は一族郎党皆殺しにあい、村人達も不当な弾圧を受けてきた

・現在、村人達は魚人への反乱を計画中である

 

 イズミはこの計画に乗り気ではないようだが、それを止める力もないらしい。

 そこでイズミはPC達に、この反乱に力を貸し、PC達に魚人の頭を倒してくれと依頼

する。そういわれては断れないPC達は、自分のふがいなさに悩むイズミを励ましたり

しつつ、反乱に参加する事に。

 

 襲撃場所は「領主の館」と「港」の二箇所。

 港から船が出払っている間に反乱を起こし、一挙に占拠する作戦だという。

 PC達は決行日までの二日間、作戦を練ることに。

 

 その結果、

 

・港で反乱を起こしてもらい、領主の館の警備を薄くする

・同時に、古井戸の底にある秘密の抜け道から領主の館へ忍び込み、魚人の領主を倒す

 

 という事になった。

 

 

 さて、いよいよ決行日当日。

 

GM「さて、では当日、君たちが古井戸へ向かうと……」

PL達「あ、その前に。ギルドを組みたいんですが……」

 

 と言う提案が。

 GMである私は少し悩んだ。実際、今回は特にギルドを組ませる予定はなかったので

ある。しかし、PLから提案があった以上、ギルドを組ませるべきと判断した。

 別段深くセッション内容に関わる事でなし、無碍に断ることも出来るが、それで得る

のはモチベーションの低下くらいのものである。あまり得策ではない。

 

 というわけで、さっくりとモモコをギルマスに据えたギルドが結成された。

 ギルド名は「暁の吾亦紅(われもこう)」

 何故そんな名前になったかは、発案者であるコルコバードに聞いて欲しい。

 ギルドスキルは祝福と蘇生という鉄板に決定し、いよいよもって古井戸へと向かう事

に。

 

 古井戸の秘密の通路に何故か張り巡らされていたエネルギーバリアなどのトラップ

に、この通路を作った先祖の謎の殺意を感じつつ、一向はまんまと領主の館へ潜入す

る事に成功した。

 

 古井戸の通路から地下1階に抜けたPC達は、上の階が俄かに慌しくなった事に気付

く。どうやら作戦が順調に進んでいるらしい事に気をよくしたPC達は、そのままずん

ずかと領主の館を制覇していく。

 

GM「では、危険感知で……どうやらここの通路は鴬張りの床になっているようだね。

迂闊に踏み込むと、館に残っているギルマンに気付かれるよ」

コルコ「じゃあ、《フライト》を使います。飛行状態なら鳴らないよね?」

GM「……」

 

 《フライト》は正直、かなり強い呪文だと思います。

 

 そんなこんなで、あの手この手でトラップをやり過ごしつつ、一向はとうとう領主の

館の最上階へ!

 

GM/ギルマン代官「な、なんだ貴様らはでギルマン! 先生、せんせーい!」

GM/先生:「どぉれ……」

 

 時代劇のお約束を踏襲しつつ、GMがどどんとふに置いた駒が↓

 

 

一同「ただの三船敏郎じゃねえか!!」

 

 そうだね、三船敏郎だね。

 

GM「えー、このミフネギルマンは……」

一同「なんだよミフネギルマンって!(爆笑)」

GM「ちなみに、ミフネギルマンには名優独特のオーラが備わっているよ。具体的には

スーパーレインボー》」

一同「ゲゲェーッ!!

 

 スーパーレインボーは、命中を+1d6したり達成値を上げたりするトラップである。

 結構痛い。

 

 ともあれ、決戦が始まった!

 PC達は代官の《司令塔》(雑魚の達成値を上昇させる特技)やミフネギルマンの圧

倒的実力に苦戦するものの、そこは仮にもLv3。少しずつ戦場はPC優勢になっていく。

 

GM/ミフネギルマン「やるでギルマン。ならば出し惜しみはなしといこう!」

オウラン「何!?」

GM/ミフネギルマン「食らえ、我が奥義……!」

GM「そういうとミフネギルマンは、マイナーで《スタイル:ミフネ》を使用!」

モモコ「《スタイル:ミフネ》!? 聞いた事ないです! どんな特技なんですか?」

GM「ああいや、強そうな気分に浸るだけ

ザルナ「それだけかよ!!」

GM「格好いいだろう!?」

 

 格好良さは重要だよ、うん。多分。

 しかしこれが功を奏したのか、GMのダメージダイスが異様に高い!

 

GM「43点物理!」

いろり「《プロテクション》。3d6+3で……17

 

 平均4以上の出目を出すのはやめていただきたい。

 そんないろりの加護もあり、やがてミフネギルマンも倒れ、代官もコルコの《ファイ

アボルト》によっていい具合に焼かれてしまってゲームセット。

 

 PC達が戦いを終えるのと同時に、港から村人の歓声があがる。

 どうやら、港でも村人が勝利を得たようである。

 

 

 さて、その後。

 見事イリアズマを取り戻したPC達に、イズミはある事を頼む。

 

GM/イズミ「今回の事で痛感しました。ボクはやはり、人の上に立てる人間じゃない」

GM/イズミ「そこで考えたのですが、どうでしょうか、皆様。このイリアズマの領主

を、ボクから引き継いではいただけないでしょうか?」

一同「えーっ!?」

 

 彼が言うには、これから先、海賊の本体が報復に来るのは確実だろう、その時に自分

ではそれを撃退する実力はない、という事である。

 

 イズミの提案に、しばし相談する一同。

 そうして出した結論は……

 

モモコ「お断りします」

ザルナ「それはただの責任放棄じゃあないですかい」

 

 ふむ、と、この答えにGMは改めて考える事になってしまった。

 というのも、GMの想定ではここで領主を引き継いで貰う予定だったからである。

 モモコはお家を復興させたがっているし、受けるかなと楽観していたのだ。

 しかしまぁ、確かに責任放棄といわれればそうかもしれない。PCの言う事ももっと

もであろう。

 

 まぁいい、それはそれでやりようもある。

 しかし、一応イズミのフォローは入れておかねばなるまい。

 

GM「では、君たちがそう答えると、マキがフォローするように言うよ」

GM/マキ「確かに、責任放棄といわれても仕方ないでしょうね。でも、まだ成人前の、

それも女の子の肩には、荷が重過ぎる仕事ですわ」

モモコ「えっ」

ザルナ「……はい?」

オウラン「女だったのか……」

いろり「あれ? 何故か女の子って思い込んでました」

 

 一言もそんな事は言っていないはずなのだが……。

 

いろり「気付いてた事にしよう

 

 いろり。直感で生きる、女子力の高い女である。

 

 イズミはタテ家最後の生き残りとして男子として振舞っていたものの、その実は13、

4の女子だったのだ。彼……いや、彼女の自信のなさも、これに起因するものだったの

だろう。

 しかし、PC達に励まされたイズミは一念発起。改めてタテ家の領主として、この島

を治める事を心に決める。勿論、当分の間PC達の助力は必要だろうが……。

 

 

 というところで、第一回目は終了。

 次回へ続く。